飼い主ではなく、犬自身が自分の体を執拗に舐め続ける場合、そこには「痛み」「痒み」「不快感」が隠されている確率が極めて高くなります。
特に臨床現場で頻繁に遭遇するのが、犬が足を舐め続ける原因の大半を占める皮膚トラブルです。赤く腫れ上がる犬が前足を舐める皮膚炎の兆候(指間炎やアトピー性皮膚炎、マラセチア感染症など)は、放置すると舐め壊しによる潰瘍や細菌感染を招き、治療が長期化する傾向にあります。散歩後の水拭きによる湿気や、ストレスによる常同行動がトリガーとなる事例も目立ちます。
また、犬がしきりに体を舐める理由として見落とされがちなのが、関節炎や椎間板ヘルニアなどの「深部の痛み」です。犬は痛む部位そのもの、あるいは神経痛が放散する手足を舐めることで痛みを紛らわせようとします。シニア期に入った犬が腰や後肢をしきりに気にして舐めている場合は、整形外科的なアプローチが必要です。
さらに、犬自身の犬が口元を舐める病気サインにも警戒を払わなければなりません。舌をペロペロと激しく出し入れする動作は、強い吐き気(胃炎・膵炎・肝不全)、口腔内の激痛(重度歯周病・口内炎)、異物が歯の間に挟まっている状態を示唆しています。これらを総括した犬舐める行動の危険信号まとめとして、「呼びかけに応じず舐め続ける」「患部が赤く脱毛している」「食欲不振や嘔吐を伴う」の3点が見られた場合は、即座の医療介入が求められます。