毎年、多くの児童生徒や指導者が陥ってしまう致命的な罠が存在します。その最たるものが「極端な厳罰論の展開」と「遠い世界のニュースの要約」です。
ネット上の一部言論に影響を受け、「犯罪を犯した人間は一生社会に出てくるべきではない」「もっと刑罰を重くして刑務所に隔離し続けるべきだ」といった厳罰化論者的な結論を導き出してしまう生徒が散見されます。しかし、これは「社会を明るくする運動」の趣旨と真っ向から衝突します。
本運動の根幹にあるのは、法務省保護局が掲げる「更生保護」の哲学です。刑期を終えた人や非行少年が、地域社会の中で真っ当に生きていける環境を整えなければ、孤立と困窮から再犯を繰り返し、結果として治安が悪化してしまうという科学的知見に基づいています。したがって、「いかに罰するか」を書き連ねた作文は、コンテストの主旨理解が不足していると判定され、選考の早い段階でふるい落とされます。
また、テレビのワイドショーで報じられた特殊詐欺や強盗事件の概要を延々と書き写し、最後に「高齢者を騙すような犯罪は許せません。私も気をつけたいです」と添えただけの感想文も、評価を得ることはできません。そこには「書き手自身の血の通った体験」も「地域社会の力についての考察」も存在しないからです。