ネット上の言説で頻繁に見受けられるのが、「フジテレビは産経新聞と同じ右派・保守路線の代弁者である」という短絡的な見方です。しかし、実際の番組構成や報道姿勢を客観的に精査すると、いくつかの重要な盲点が浮かび上がります。
盲点1:論調の乖離とターゲット読者層の違い
産経新聞は「主張」欄に代表される明確な改憲論やタカ派外交を前面に押し出すオピニオン紙です。一方、フジテレビの地上波コンテンツは、若年層やファミリー層をターゲットとしたエンタメ・トレンディドラマ・バラエティを中核に据えて成長してきました。報道番組においても、ワイドショー的な生活情報や事件報道が中心であり、産経新聞の紙面と完全に足並みを揃えているわけではありません。
盲点2:フジテレビ系列局(FNS/FNN)の地方紙連携
全国のフジテレビ系列局(関西テレビ、東海テレビ、テレビ西日本など)を見渡すと、地方局の多くは中日新聞社、西日本新聞社、あるいは各地の有力地方紙と資本・人事面で深く結びついています。つまり、地方ネットワーク全体が産経新聞の影響下にあるわけではなく、地域ごとに極めて多元的な報道体制が敷かれているのが実態です。