効率的なトレーニングを実践する上で、ターゲットとなる筋肉の解剖学的構造を把握しておくことは極めて重要です。上腕三頭筋は、その名の通り「長頭」「外側頭」「内側頭」の3つの頭で構成されています。
腕の外側に位置する外側頭と深部にある内側頭は上腕骨から起始しており、純粋な肘関節の伸展によってダイレクトに稼働します。Tシャツを着た際に横から見える腕の厚みや輪郭を際立たせるには、この外側頭の発達が欠かせません。一方、腕の内側・後方に位置する長頭は、3つの中で唯一「肩甲骨」に付着している二関節筋です。そのため、肘を伸ばす動作に加えて、腕を後方へ引き込む「肩関節の後方伸展」が加わることで初めて最大収縮に至ります。
なお、フィットネス界隈でしばしば議論される「ケーブルプレスダウン」と「ケーブルプッシュダウン」の呼称の違いですが、運動生理学および運動力学の観点では実質的に同一の種目を指します。海外文献や指導者によって、上から押し潰すニュアンスを強調して「プレスダウン」、押し下げる動作を指して「プッシュダウン」と呼び分ける傾向はあるものの、器具のセッティングやターゲットとする筋肉に構造的な差はありません。