ALSは、脳から筋肉へ運動の指令を伝える「運動ニューロン」が選択的に変性・脱落していく病気です。感覚神経や自律神経、意識や知能は原則として保たれることが特徴ですが、初期段階では他の神経・筋肉の病気と見分けがつきにくく、診断確定までに時間を要するケースが少なくありません。
見逃してはならない主な初期症状のサインは以下の3つの型に大別されます。
- 上肢型(手・腕の異変):ペットボトルのフタが開けにくくなる、シャツのボタンを留めにくい、ハシを落とすなど、手指の細かい動作が急に不器用になる。
- 下肢型(足の異変):何もない平坦な場所でつまずく、スリッパが脱げやすい、階段の上り下りが困難になるなど、足首や太ももの筋力低下が生じる。
- 球麻痺型(口・喉の異変):ろれつが回らなくなり言葉が不明瞭になる(構音障害)、食べ物や水分でむせやすくなる(嚥下障害)。
加えて、腕や脚の筋肉が意図せずピクピクと波打つ「線維束性収縮」や、筋肉のやせ(筋萎縮)が目立ち始めます。これらの違和感が片側の手足から徐々に反対側や全身へと広がっていく場合は、速やかに神経内科専門医を受診することが推奨されます。