強制再起動を試みても状況が変わらない場合、問題はディスプレイパーツ自体の物理的故障へと傾きます。ここで知っておくべきは、使用している端末の画面が「液晶(LCD)」か「有機EL(OLED)」かによって、ブラックアウトのメカニズムと壊れ方が根本から異なるという点です。
まず、低価格帯モデルや旧世代機に多い液晶ディスプレイの場合、映像を表示する液晶層の裏側からLEDで照らす構造になっています。このバックライトを制御するインバーター回路のショートやLEDの寿命が起きると、映像信号は届いていても光がないため真っ暗に見えます。手元ですぐできるバックライト切れかどうかの確認方法として、スマートフォンの画面に部屋のスタンドライトや別のスマホの懐中電灯(ライト)を至近距離から斜めに照射してみてください。光の反射の奥に、うっすらと時計の文字やアプリアイコンの輪郭が浮き上がって見える場合、内部は生きており純粋なバックライト系統の不具合と特定できます。
対照的に、近年のミドルレンジからフラッグシップ機の大半を占める有機ELは、画素そのものが自己発光します。バックライトが存在しないため「薄暗く映る」という壊れ方はせず、故障時は完全に光を失います。現場で多発している有機ELディスプレイ破損の症状と経緯を辿ると、ガラス表面には目立つヒビが一切入っていないにもかかわらず、落下時の衝撃波やポケット内での局所的な圧迫によって内部の発光層に微小なクラック(亀裂)が生じるパターンが典型です。パネル内に空気や湿気が侵入すると、一瞬だけ緑色の閃光が走った後、インクが滲み出るように黒い領域が広がり、最終的に画面全体がブラックアウトに至ります。