山手線の終電がかつてより約15分〜20分程度早まったことは、今や多くのビジネスパーソンや夜間外出者に知れ渡っています。しかし、その根本にある山手線の終電繰り上げの経緯と、山手線の終電時間設定の理由を正確に理解している人は多くありません。単なる深夜帯の乗客減少だけが要因ではないのです。
最大の決定打となったのは、線路や設備のメンテナンスを担う夜間作業員の確保と働き方改革でした。山手線は昼間の運行頻度が日本一過密な路線の一つであり、レールの削正や架線の点検、各駅へのスマートホームドアの設置および改修工事などは、すべて終電から始発までのわずかな間合いに行われます。
繰り上げ以前は実質的な夜間作業時間が2時間半程度しか取れず、作業員の過酷な労働環境や人手不足が深刻化していました。終電を早めることでまとまった保守作業時間を確保し、結果として昼間の安全・安定輸送のクオリティを高める狙いがあったわけです。2026年現在も終電が以前の水準に戻る気配はなく、今後もこの安全優先のタイムテーブルが標準となっていく見込みです。