探偵社がどのようにして誕生したのか――その答えは公式外伝小説『探偵社設立秘話』で克明に描かれています。およそ十余年前、孤高の武術家であり用心棒として生計を立てていた福沢諭吉は、ある殺人事件の現場で驚異的な観察眼を持つ少年・江戸川乱歩と出会いました。
当時の乱歩は、自分自身が持つ異次元の洞察力を「世の中の人間なら誰でも当たり前に見えていること」と思い込んでおり、他人がその真実に気付けないことを理解できず、社会から完全に弾き出されていました。世間への恐怖と孤独に怯える乱歩に対し、福沢は「お前は異能力者だ。『超推理』という異能が使えるからこそ他の人間には見えない真実が見えるのだ」という方便を授けます。その言葉によって初めて乱歩は世界と調和し、自分の居場所を見出すことができました。
福沢は乱歩の類まれなる才能が悪人に利用されることを防ぎ、彼が安全に生きられる器を作るため、政府の認可を受けた組織の設立を決裁。夏目漱石の仲介と内務省異能特務課からの「異能開業許可証」の認可を経て、1920年代風の古風なビルに「武装探偵社」の看板が掲げられたのです。