美点ばかりに目を奪われると、居住後に思わぬリスクへ直面することになります。三原市を検討する際に絶対に避けて通れないのが、自然災害への耐性と人口動態の構造的変化です。
最大の教訓となっているのが、2018年7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)です。市内を貫流する一級河川・沼田川(ぬたがわ)水系が氾濫し、本郷地区や市街地の一部で大規模な浸水被害が発生しました。その後、国や広島県、三原市によって大規模な河道掘削や堤防嵩上げ、遊水地整備といった治水対策が急速に進められたものの、最新の三原市ハザードマップを見れば明らかなように、沼田川沿いの低地や山沿いの急傾斜地には依然として浸水想定区域や土砂災害警戒区域が指定されています。物件選びを行う際は、不動産業者の「駅徒歩〇分」という文句を鵜呑みにせず、標高やハザードマップのカラーリングを自らの目で照合することが命を守る防衛策となります。
もう一つのシビアな現実は、人口減少現在の状況です。三原市の人口は2026年時点で約8万人の大台を割り込み、高齢化率は35%を超えています。 Wikipedia等の地域基礎データにもある通り、三原市は「備後圏域連携中枢都市圏」に参画し、福山市など近隣自治体と医療・福祉・産業の広域連携を進めることで都市機能の縮小を防ぐ戦略を取っています。しかし、郊外部の路線バスの減便や個人商店の廃業など、一次生活インフラの後退は確実に進行しています。「地方都市のどこでも手厚い公共インフラが維持される」というネット上の幻想は捨て、将来的な街の縮退を見据えた拠点選定が欠かせません。