過酷な闘病生活を支え抜いた最大の原動力は、家族の一致団結したサポート体制でした。当時、部屋には多くの弟子たちが所属しており、相撲部屋のおかみさんとして若手力士たちの生活を守りながら、毎日のように病院へ通い詰めた高田みづえさんの精神力は周囲を驚かせました。
高田夫妻には、元俳優として活動した長男の勝信氏と、タレント・女優として活躍する長女のアイリさんという2人の子供(息子・娘)がいます。事故発生時、長女のアイリさんはテレビ番組やインタビュー等で、当時の家族の張り詰めた状況について次のように振り返っています。
「母は取り乱すことなく、部屋の弟子たちの前では気丈に振る舞い続けていました。でも病室で父の手を握っているときだけは、必死に祈り続けていた。私たち子どもも、父のリハビリをサポートするために毎日のスケジュールを分担しました」
家族総出の献身的な呼びかけやマッサージが、意識混濁状態にあった親方の脳に確実な刺激を与え、奇跡的な回復速度を生み出す契機となりました。