土俵上の勝負は、わずか数秒で決着がつく。しかし、その一瞬で動く金の額は膨大だ。大相撲の報酬システムにおいて、月々の基本給とは別に毎場所(年6回)支給される手当がある。それが「力士褒賞金」だ。この手当の金額を決定づけるのが、各力士がキャリアを通じて積み上げてきた「持ち給金」という点数である。
仕組みは至ってシンプルだが、その乗数が強烈だ。土俵に上がった初土俵の瞬間から、力士には基本となる持ち給金が与えられる。関取(十両)に昇進した時点で、最低保障ラインとして40円の持ち給金が設定される。この「40円」という数値に400を掛け合わせた金額、すなわち16,000円が1場所あたりの最低支給額となる。年間6場所なら96,000円だ。一見すると少額に思えるかもしれない。だが、これはあくまでスタートラインに過ぎない。