猛獣の持つ威厳を紙の上に立ち昇らせる試みは、何世紀も前から続いてきた。江戸時代の絵師、円山応挙は本物の虎を見る機会が限られていた時代に、輸入された皮や猫の骨格から力強い虎の姿を構想し、写生に基づく迫力ある作品を残した。彼の観察眼は、現代の作画における骨格理解の重要性を先取りしていたと言える。
西洋に目を向ければ、古生物や古動物画の巨匠チャールズ・R・ナイトが遺した動的なスケッチ群が、解剖学に裏打ちされた野生動物描画の基盤を築いた。近代の動物画は、骨と筋肉のつなぎ目、歩行時の重心移動を正しく捉えることで、はじめて絵の中に「命」を吹き込むことに成功してきたのだ。