こうした眠気の問題に対し、製薬業界も手をこまねいてきたわけではない。特に近年のOTC医薬品市場では、生活者のライフスタイル変化に合わせた多様な処方が相次いで投入されている。かつては「総合感冒薬といえば眠くなるもの」という諦めが一般的だったが、2026年現在の店頭には眠気の副作用を劇的に抑えた製品群がずらりと並ぶ。
業界を牽引する大正製薬の「パブロン」シリーズや、第一三共ヘルスケアの「ルルアタック」シリーズをはじめ、主要メーカーは単に症状を抑えるだけでなく「日中の活動を妨げない」製品開発へ急速に舵を切った。例えば、脳内に移行しにくい「第二世代抗ヒスタミン薬」を採用した特定症状向け医薬品や、無水カフェインを適切に組み合わせて鎮静作用を打ち消す処方設計などがその代表格だ。解熱鎮痛成分と抗炎症成分を中心に組み立て、抗ヒスタミン成分を一切排除した「眠気成分無配合」タイプの総合感冒薬も市場で大きな存在感を示している。