走ると歯が痛い原因とは?副鼻腔炎や振動による痛みの正体と対処法

走ると歯が痛い原因とは?副鼻腔炎や振動による痛みの正体と対処法

走ると歯が痛い原因とは?副鼻腔炎や振動による痛みの正体と対処法に関する知りたいポイントを初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

走る際の衝撃で歯が痛む場合、一般的に真っ先に疑われるのは虫歯ですが、臨床の現場で非常に多く見られるのが「歯根膜炎」と「副鼻腔炎(上顎洞炎)」の2つです。

1. 衝撃吸収クッションの破綻「歯根膜炎」

歯と顎の骨の間には、噛んだときの圧力を感知し、衝撃を和らげる「歯根膜(しこんまく)」という厚さわずか0.2ミリ前後の薄い線維性のクッションが存在します。過去の虫歯治療で神経を抜いた歯の根の先端に細菌が溜まっていたり(根尖性歯周炎)、日頃の歯ぎしりや強い衝撃によって歯根膜自体に微小な外傷(咬合性外傷)が生じていると、このクッションが急性または慢性的に炎症を起こします。

炎症を起こした歯根膜はわずかな圧力変化にも極めて過敏になっており、走る・歩く・ジャンプするといった着地振動が加わるだけで、神経を直接刺激されて激しい痛みを引き起こすのです。

2. 鼻の炎症が歯に波及する「上顎洞炎(副鼻腔炎)」

「上の奥歯が全体的に浮くようにズキズキする」「走る振動が目の下や頬骨あたりまで響く」というケースでは、歯そのものではなく、頬の内側にある空洞「上顎洞(じょうがくどう)」の炎症が疑われます。

解剖学的に、上顎の奥歯(第一大臼歯・第二大臼歯など)の根の先は、上顎洞の底と骨一枚を隔てて極めて近い位置に接しています。風邪やアレルギー性鼻炎、蓄膿症などによって上顎洞に膿や浸出液が溜まると、空洞の内圧が上がってすぐ真下を通る歯の神経(上歯槽神経)を外側から圧迫します。この状態でランニングの振動が加わると、液体の揺れや圧力変動が神経を刺激し、「虫歯がないのに走ると奥歯が激痛を発する」という錯覚(関連痛)を生じさせます。

3. スポーツ中の無意識な「食いしばり」

フォームを保とうとしたり、スピードを上げようと力んだりする際、無意識に上下の歯を強く噛みしめるランナーは少なくありません。奥歯には自身の体重以上の過度な負荷がかかり続けるため、走っている最中や走行直後に歯の周囲組織が疲弊し、筋肉痛と混ざり合ったような鈍い歯痛を招く要因となります。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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