尾崎世界観は、自身の学歴や過去の下積み時代について、隠すことなくインタビューや著書で語ってきた。そこには、時に「高卒であること」や「大器晩成であったこと」に対する引け目や劣等感が滲むこともある。
しかし、彼が非凡なのは、そのコンプレックスを単なる愚痴で終わらせず、鋭利なアートへと昇華させる点だ。完璧ではない自分、格好悪い自分を晒し出すことで、同じように世間の評価軸に苦しむ人々の痛みに寄り添う。学歴社会に対する批評性を帯びた歌詞や文章は、自己対峙を徹底的に重ねた人間にしか書けない強度を持っている。