SNS上で「丸の内シャンパンタワー」というフレーズが急浮上したきっかけは、あるショート動画プラットフォームに投稿された1本の祝勝会クリップでした。東京駅の赤レンガ駅舎や高層ビルの夜景を眼下に望む格式高いテラス付き個室で、スーツ姿のビジネスパーソンたちがクラシック音楽の流れる中、整然と組み上げられたシャンパンタワーに黄金色の泡を注ぎ込む様子が映し出されていたのです。
この動画に対し、ネット上では「歌舞伎町ではなく丸の内で?」「夜の街のノリがビジネス街に進出したのか」「ベンチャー企業の成金自慢では」といった困惑交じりのリアクションが瞬く間に拡散。これが丸の内シャンパンタワーの元ネタとなり、検索ボリュームが急増する事態となりました。
しかし、取材班がイベント関係者や現場のプランナーに確認したところ、丸の内シャンパンタワーの経緯は俗悪な乱痴気騒ぎとはまったく異なるものでした。実際の発端は、大手M&Aのクロージングパーティー、IPO(新規株式公開)の達成記念、さらには大手町・丸の内エリアに勤務するアッパー層の結婚式二次会において、従来の鏡開きに代わる「スマートな祝祭のシンボル」として導入されたことにあります。夜の歓楽街で見られるような過度なあおりやコールは一切存在せず、上質で知的な演出として定着していったのが丸の内シャンパンタワーの真相です。