全国の多くの神社を束ねる神社本庁の枠組みのなかにありながら、晴明神社は独自の立ち位置を堅持している。巨大な寺社が立ち並ぶ京都の神社仏閣観光産業において、敷地面積こそコンパクトであるものの、その求心力とブランド価値の際立ち方は群を抜く。
近隣の商店街や住民にとっても、晴明神社は日常に溶け込んだ誇りだ。魔除けのステッカーが京都のタクシーや一般家庭の玄関先に当たり前のように貼られている光景は、観光客向けの演出ではない。平安の昔から連綿と続く「魔を避け、平穏を願う」庶民の切実な祈りが、今もこの街の景観を形作っている証拠なのだ。