「ダメージレス」「髪に優しい」という甘美なフレーズで爆発的な支持を集めた酸性ストレート。しかし、ここに落とし穴がある。アルカリを使わないから安全という言説は、現場を知る技術者からすれば明らかな誤認だ。
酸性領域の薬剤は毛髪のキューティクルを開かない分、じっくりと内部へ浸透させる高度な見極めが求められる。還元が弱すぎれば癖は一切伸びず、逆に浸透させすぎた状態で強いテンションをかけてアイロンを通せば、アルカリ矯正以上の深刻なビビリ毛を生み出す。現在ブームとなっている髪質改善メニューも同様だ。酸熱トリートメントに含まれるグリオキシル酸の過剰な熱処理によって、髪が硬化して千切れるトラブルが急増している。安全神話の裏側で、技術が追いつかない施術による被害が静かに拡大している。