大井川流域の地域経済において、鉄道観光産業はまさに背骨と呼べる存在だ。台風による土砂崩れやインフラの寸断など幾多の試練に見舞われながらも、沿線の自治体や住民、そして鉄道会社がスクラムを組んで再生へと歩みを進めてきた。
SLの走る姿を取り戻すことは、単に列車を走らせること以上の象徴的な意味を持つ。塩郷の吊り橋から望む蒸気機関車の勇姿は、復興に向けた確かな推進力であり、流域全体に活気を取り戻すための旗印でもある。訪れる観光客が落とす消費は、周辺の茶農家や小さな飲食店を潤し、地域経済を循環させる大切な糧となっている。