可愛らしいビジュアルで人々を虜にするシマリスだが、その生態は驚くほど野生の厳しさと知恵に満ちている。最も有名なチャームポイントである「頬袋」は、単なる食べ物の保管場所ではない。実は、伸縮性に優れた頬袋は首から肩のあたりまで広がっており、自らの頭部のサイズほどもある大きな木の実を片側に2個ずつ、両側で計4個以上も詰めることができる構造になっているのだ。
秋が深まると、彼らの行動は一変する。冬眠に備えて地下に掘った複雑な巣穴へ、何千個ものどんぐりや種子を運ぶ「貯食」行動が猛烈な勢いで開始される。ここで興味深いのは、彼らの驚異的な記憶力だ。地面のあちこちに隠した食べ物の位置を正確に記憶しているだけでなく、もし忘れてしまった場合でも、それが森の新たな芽吹きを促すという生態系上の重要なサイクルを生み出している。さらに、冬眠中も完全に眠り続けるわけではなく、数日に一度目を覚ましては蓄えた食料を食べる「周期性冬眠」を行うなど、小さな体で過酷な冬を生き抜く見事な生存戦略が秘められている。