2026年を迎えた現在、暴力団排除条例の徹底や構成員の高齢化に伴い、かつてのような公然たる組事務所としての機能は急速に衰退した。警視庁による度重なる締め付けと歌舞伎町全体の再開発の波により、表向きの暴力団看板はほぼ姿を消している。
しかし、闇が完全に消え去ったわけではない。関係筋によれば、従来のような伝統的ヤクザに代わり、匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)や海外の半グレ組織が、民泊やシェアハウス、ペーパーカンパニーの拠点として物件の一部を転用している実態が浮き彫りになっている。かつて拳銃が隠されていた空間には今や暗号資産のマイニング機器や特殊詐欺の発信機が並び、犯罪の形態はより不可視化・巧妙化している。建物そのものが持つアングラな磁場は、形を変えて次の世代の犯罪ネットワークを引き寄せているのだ。