Q1:香田証生さんはなぜ退避勧告を無視してイラクへ入国できたのですか?
A1:外務省の「退避勧告」には法的な強制力や出国停止の権限がなく、日本国憲法が保障する「海外渡航の自由」に基づき、個人の意思で出国・移動が可能だったためです。香田さんはヨルダンから陸路の乗合バスを利用して国境を通過し、警備の隙を突く形で入国しました。
Q2:犯行グループのリーダーだったザルカウィはどうなりましたか?
A2:香田さんを殺害した「統一と聖戦」の首領アブ・ムサブ・アッ=ザルカウィは、その後も数々のテロを首謀しましたが、2006年6月に米軍の精密空爆によってイラクのバアクーバ近郊で殺害されました。
Q3:事件後、日本政府の渡航制限ルールや自己責任の扱いは変わりましたか?
A3:法的強制力を伴う「旅券返納命令(パスポートの没収)」がより積極的に検討・行使されるようになりました。2015年にシリア渡航を計画したフリーカメラマンに対して外務省がパスポート返納を命じた事例など、個人の移動の自由と国家の邦人保護義務のバランスを巡る法制度運用の大きな転換点となっています。