この作品が今なお色あせない最大の理由は、ばあちゃんが繰り出す規格外の「節約術」にある。腰に針金を巻き、その先に磁石を引きずって歩くことでクズ鉄を集めて小遣いに変える。川の上流から流れてくる曲がったきゅうりや大根を「川はうちのスーパーマーケット」と呼んで料理に変える。こうした破天荒な知恵は、単なるケチや我慢の節約とは根本的に異なる。
ばあちゃんの生き方の根底にあるのは、「貧乏には二種類ある。暗い貧乏と明るい貧乏だ。うちは明るい貧乏だから大丈夫だ」という強烈な肯定的思考だ。物価高騰や将来への不安が渦巻く現代において、手持ちの条件を最大限に面白がり、工夫によって豊かさを生み出す姿勢は、まさに現代社会が必要としている知恵そのものと言えるだろう。