2013年6月21日の「MARK IS みなとみらい」グランドオープンと同時に鳴り物入りで出店したトイザらス・ベビーザらス みなとみらい店は、約2,000平方メートルを超える広大な売り場面積を誇る大型併設型店舗でした。ワンフロアで知育玩具から大型ベビーカー、マタニティインナー、離乳食まで揃う圧倒的な利便性は、横浜臨海部におけるファミリー集客の絶対的な起爆剤として機能していました。
しかし、2024年1月上旬の営業終了をもって同店は完全閉店となりました。商業施設関係者への取材および公開資料から浮かび上がる決定的な理由は、主に以下の3点に集約されます。
第1に、開業10年の節目に伴う「定期建物賃貸借契約の満了」です。大型商業施設におけるキーテナント契約は10年スパンで結ばれるケースが多く、施設運営側である三菱地所プロパティマネジメントによる開業10周年大規模リニューアル計画と、日本トイザらス側の店舗網再編戦略のタイミングが合致したことが直接の契機となりました。
第2に、EC(電子商取引)の急速な普及とリアル店舗の採算性見直しです。粉ミルクや紙おむつ、大型育児用品などの重量物はネット通販へのシフトが加速し、大型店舗の坪効率(面積あたりの売上)が全国的に厳しさを増していました。特にみなとみらい地区の一等地における高い賃料水準と物流コストの上昇が、契約更新を見送る構造的要因となったと分析されます。
第3に、みなとみらい地区の来街者属性の多層化です。開業当初のファミリー特化型から、近年はインバウンド(訪日外国人客)や若年層カップル、周辺オフィスワーカーなど来館ターゲットが多様化しており、施設側が3階フロアを単一のメガテナントから複数の高回転型テナントへ分散させる方針へ舵を切ったことが決定打となりました。