真夏の炎天下で繰り広げられる過酷なトーナメントにおいて、選手の生命線を守るギアとして急速に普及したのが「白色のキャップ」だ。かつては校旗や伝統色に準じたダークトーンが一般的であったが、日本高野連が熱中症予防を主眼とした用具規定の緩和・推奨を進めたことで、頭頂部(クラウン)に白を採用するチームが急増した。
日本スポーツ振興センターや各種研究機関のサーモグラフィ測定データによると、黒や濃紺の帽子は直射日光を吸収し、着用後わずか15分で表面温度が50℃を超えるケースが報告されている。これに対し、白色の帽子は太陽光の赤外線を大幅に反射し、表面温度を35〜40℃程度に抑える効果が実証されている。帽子内部の温度上昇を最大で約10℃低減させるこの科学的根拠が、指導陣や保護者の意識を一気に塗り替えた。
高野連の定める用具規則では、帽子の色やデザインに関して「同一校の選手は同一規格のものを着用すること」「華美にわたらないこと」が明記されている。現在では、全体がオールホワイトのモデルだけでなく、つば部分やマークに伝統のスクールカラーを残したツートンカラーの採用も正式に認められており、伝統の継承と安全性の両立が進んでいる。