インターネット上のレビューやSNS上では、時に「名古屋のみそかつは味が濃すぎてくどい」「ドロドロしていて途中で飽きる」といったネガティブな声を目にすることがあります。しかし、これは他地域のみそかつと混同された典型的な先入観と誤解です。
矢場とんの秘伝みそだれは、1年半熟成させた天然醸造の豆味噌をベースに、厳選された豚骨スープで丁寧に伸ばして仕上げられています。そのため、一般的な田楽味噌のような粘度のある甘いタレではなく、驚くほどサラサラとした液状のスープ仕立てになっています。
店員が客の目の前で熱々のカツに並々とタレを注ぎ込むスタイルは、衣全体に一瞬で旨味を染み込ませつつ、油っぽさを打ち消すための合理的な調理手法です。食べた瞬間に広がるのは塩辛さではなく、豚骨出汁の芳醇なコクと豆味噌独特の上品な酸味であり、食後感は極めて軽やかです。