米『VOGUE』の専属クリエイティブディレクターを退任した際、世間には「ファッション界からの完全引退」と誤認する声もありました。しかし、2026年を迎えた現在も84歳(1941年4月20日生まれ)となったグレース・コディントンは、第一線でペンと審美眼を振るい続けています。
退任直後から彼女は「クリエイティブ・ディレクター・アット・ラージ(客員クリエイティブディレクター)」という肩書を保持しつつ、完全に自由なフリーランスとして活動の幅を広げました。ティファニー(Tiffany & Co.)の広告キャンペーンディレクションを手掛けたことを皮切りに、トーク番組『Face to Grace』のホストを務めるなど、かつての編集部勤務という枠組みを超えたメディア露出を行っています。
関係者や近年のインタビューによると、現在の彼女はニューヨーク郊外の自宅で愛猫たちと穏やかな時間を過ごしながら、書籍の挿絵制作やカプセルコレクションの監修、若手フォトグラファーへの助言などを行っています。商業主義に埋没しがちな現代のデジタルファッション界において、物語性(ストーリーテリング)と手仕事の情緒を重んじる彼女の元には、今なお世界中のラグジュアリーブランドからオファーが絶えません。