大混雑の渦中にある打ち上げ正面をあえて外し、落ち着いて花火の情緒を味わうための穴場鑑賞スポットが湘南海岸には点在します。
まず筆頭に挙がるのが、江の島を挟んで東側に位置する片瀬海岸東浜です。西浜に比べて人の波が緩やかで、シートを広げるスペースも直前まで確保しやすい利点があります。島影によって海上スレスレで開花する一部の水中花火は見えづらいものの、上空高く打ち上がる大玉の美しさは西浜と遜色ありません。終了後に腰越方面へ抜けられるため、群集雪崩のリスクを回避できる点も強みです。
さらに混雑を嫌う層に支持されたのが辻堂海岸および辻堂海浜公園の周辺です。打ち上げ会場からは西へ約3km離れるため音の迫力はやや落ちるものの、広大な砂浜で水平線越しに広がる花火の全貌をパノラマ視界で捉えることができます。何より最大のメリットは、観客の波に押し流されることなくJR東海道線の辻堂駅へ歩いてアクセスできる点にあります。
もう一つの情緒ある視界を提供するのが、鎌倉寄りの稲村ヶ崎です。晴天であれば夕暮れ時に富士山と江の島のシルエットが浮かび上がり、その背後に打ち上がる花火を一枚の絵画のように鑑賞できます。カメラマンの間では定点観測ポイントとして知られ、喧騒から切り離された大人の鑑賞エリアとして機能しました。
一方、祭りの活気を彩る屋台出店情報にも明確な傾向が見られました。2024年は西浜の有料観覧エリア内への露店配置が制限されたため、屋台の主力部隊は「すばな通り(洲鼻通り)」周辺、および小田急線片瀬江ノ島駅から江の島弁天橋へと至る幹線沿いに集中しました。たこ焼き、イカ焼き、湘南名物のしらす焼きそばなどを扱う屋台がひしめき合いましたが、ピークとなる16時30分から17時30分には通路全体がすれ違い困難な密集状態へと突入しました。買い出しをスムーズに完結させるためには、15時台前半にすばな通りで食料を調達し終えておくのが鉄則です。