点と線』空白の4分間の真相|完璧なアリバイが崩れた驚愕の理由

点と線』空白の4分間の真相|完璧なアリバイが崩れた驚愕の理由

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事件の発端は、福岡県香椎(かしい)の寂寥とした海岸で発見された男女の遺体でした。死亡していたのは、某省庁の汚職事件で検察から重要参考人として浮上していた課長補佐・佐山憲一(31歳)と、東京・赤坂の高級料亭「小雪」の若き女給・お時(27歳)。遺体の状況や残された青酸カリの瓶から、地元警察の多くは「汚職を苦にした官僚と料亭女給の情死(心中)」として処理を進めようとしました。

しかし、福岡署のベテラン刑事・鳥飼重太郎は、遺留品にあった一枚の鉄道食堂車の領収書に目を留めます。「東京から九州までの長い道程で、なぜ佐山は一人で食堂車を利用したのか」「女給のお時はなぜ同行しながら食事を共にしなかったのか」。鳥飼が覚えたこの小さな違和感が、巨大な陰謀の糸口となります。やがて警視庁から派遣された新進気鋭の刑事・三原紀一が合流し、二人の刑事による執念の合同捜査が幕を開けました。

事件の背景には、中央省庁の汚職に深く関与する機械工具商「安田商会」の経営者・安田辰夫と、その監督官庁である某省の石田部長の存在がありました。佐山の口を封じ、捜査の手を自らに及ばせないために仕組まれた周到な計画。登場人物たちの利害と思惑は、次のように複雑に交錯していました。

【『点と線』主要登場人物の相関関係】
・佐山憲一:某省課長補佐。汚職の秘密を握るキーマン。安田の計略により口封じのため毒殺される。
・お時:料亭「小雪」の女給。佐山に好意を寄せていたが、安田に利用され偽装心中の犠牲者に。
・安田辰夫:安田商会社長。政官界をつなぐブローカー。鉄壁のアリバイを構築した主犯。
・安田亮子:安田辰夫の妻。重度の肺患で療養中ながら、卓越した知能で夫の犯罪をプロデュース。
・石田部長:佐山の上司で汚職の黒幕。安田と結託して疑惑の揉み消しを図る。
・鳥飼重太郎:福岡署の老刑事。現場に残された生活感の矛盾から心中説を疑う。
・三原紀一:警視庁捜査二課の若手刑事。鉄道ダイヤと航空網を足で追い詰め真相を暴く。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。