バードストライク(英語:bird strike)とは、鳥類が人工の構造物、とりわけ高速で移動する航空機や高速鉄道などに衝突する事故を指します。コウモリなどの哺乳類が衝突する場合は「バットストライク(bat strike)」とも分類されますが、航空業界で日常的に重大視されているのは圧倒的に鳥類との衝突です。
なぜ、羽毛に包まれた小さな鳥が、堅牢を極めるジェット機を破壊できるのでしょうか。その理由は、単純な「運動エネルギーの物理法則($E = \frac{1}{2}mv^2$)」にあります。衝突時の破壊力は速度の2乗に比例して跳ね上がります。たとえば、時速約300km(秒速約83m)で離陸上昇中の旅客機に、体重わずか2kgの鳥(カモやカラス大)が正面から激突した場合、その衝撃力はおよそ数十トンに達します。これは「ビルの屋上から乗用車を落下させて機体に叩きつける」のと同等クラスの破壊エネルギーです。
現役の航空整備士がメディアの取材や現場手記で明かした証言によると、衝突の爪痕は凄まじいものがあります。「機首の最先端にあるレーダーを覆うレドームが、鳥の衝突で完全に陥没・貫通していた事例を何度も目撃している」と語られており、衝撃の凄まじさを物語っています。レドームのほかにも、コックピットの風防ガラス、主翼のエルロン(動翼)、そして最も脆弱かつ致命的な弱点となるのが「ジェットエンジンの内部」です。