拍動性耳鳴りを引き起こす要因は、全身性の循環変動から外科的処置を要する頭蓋内の病変まで多岐にわたります。日々の生活疲労や自律神経の乱れ、強いストレスに起因する血圧上昇によって一時的に血流が激しくなり、耳鳴りを自覚するケースもありますが、数日から数週間にわたって持続する場合は器質的な病変を強く疑う必要があります。 臨床現場で最も警戒されるのが、脳の血管病変です。代表的な疾患として以下のものが挙げられます。 * 硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう):脳を包む硬膜の動脈と静脈が、毛細血管を介さず直接つながってしまう難病。高い動脈圧が静脈洞に直接流れ込むため、激しい血流雑音が発生し、放置すると静脈圧の上昇から脳出血や静脈梗塞を引き起こします。 * 内頸動脈狭窄症・動脈硬化:首から脳へ血液を送る主幹動脈の内腔が動脈硬化によって狭くなり、ジェット噴流のような乱流が生じる状態。脳梗塞の前兆病変としても極めて危険です。 * 脳動脈瘤:骨の内部を走る血管に動脈瘤ができた場合、その拍動が骨を伝わって耳に響くことがあります。 * 頭蓋内圧亢進症・S状静脈洞憩室:脳圧の亢進や、耳のすぐ裏を通る太い静脈(S状静脈洞)の壁が骨側に突出・菲薄化することで、血液が擦れる音が遮るものなく耳にダイレクトに響きます。 特に、「首の横を指で軽く圧迫すると音が小さくなる、あるいは止まる」という現象がみられる場合、静脈性病変(硬膜動静脈瘻や静脈洞異常)が強く疑われる臨床的に極めて重要なサインです。
耳鳴りがドクドク脈打つ危険信号!拍動性耳鳴りの原因と受診すべき診療科
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