一般のスーパーで並ぶピンク色のハムと、無塩せきハムにはどのような実質的差異が存在するのか。消費者が売り場で直面する疑問の多くは、「なぜ無塩せきは色がくすんでいるのか」「価格が2割〜3割ほど高い理由は何か」という点に集約される。
一般のハムが加熱調理後も鮮やかな桜色を保ち続けているのは、発色剤である亜硝酸ナトリウムが肉の色素(ミオグロビン)と化学反応を起こし、加熱しても変色しない「ニトロソミオグロビン」を形成するためだ。対照的に、発色剤不使用を貫く無塩せきハムは、家庭で豚肉を茹でた際と同様に、加熱によって自然な灰色がかった薄茶色へと変化する。
さらに食感の面では、食品添加物「リン酸塩」の有無が大きく関与する。リン酸塩は肉の保水性を高め、プリッとしたジューシーな弾力としっとり感を付与するが、無塩せき製品の中にはリン酸塩を排除しているものも多く、肉本来の繊維感やしっかりとした噛みごたえが前面に出る傾向がある。