梅の実を収穫する際、最初に決めるべきは「その実で何を作るか」という一点に尽きます。同じ木になる実であっても、収穫する日数によって果肉の硬さ、酸味、糖度、香りが劇的に変化します。
透き通った爽やかな香りとキレのある酸味が求められる梅酒用・梅シロップ用の青梅は、実が十分に太りながらも全体が深い緑色で、指で押してもびくともしない硬さの時期に手摘みします。このタイミングを過ぎて実が黄色く熟し始めると、梅酒が濁ったりシロップの発酵が進みすぎたりするトラブルにつながります。
一方、ふっくらとした果肉の柔らかさが命となる梅干し用の収穫目安は、実の緑色が抜け、黄色から橙色へとグラデーションが移り変わる完熟期です。フルーティーな甘い香りが漂い、枝を軽く揺らすだけでポロリと落ちる状態がベストタイミング。青すぎる状態で漬けると皮が硬くゴワゴワした梅干しになってしまうため、しっかりと熟すのを待つ見極めが欠かせません。