独立行政法人国民生活センターや各地の消費生活センターには、戸建て住宅の高圧洗浄に関する相談が引きも切りません。報道各社や公的機関が注意を呼びかけている高圧洗浄トラブル消費者センター事例を分析すると、典型的な被害パターンが見えてきます。
ある70代女性の事例では、「排水管の無料点検に回っている」と突然の訪問を受けました。点検後に「配管が壊れかけており、今すぐ高圧洗浄と補修をしなければ近隣にも迷惑がかかる」と激しい口調で迫られ、恐怖心からその場で28万円の即日施工契約にサインしてしまったといいます。作業自体はわずか40分程度で終了し、不審に思った家族が後日別の指定工事店に配管を確認してもらったところ、配管の破損など存在せず、相場を遥かに超える不当請求であったことが判明しました。
公的機関の発表資料でも強調されている通り、悪質な業者は以下の共通した手口を用います。
- 公的機関の偽装:「市町村の委託を受けている」「下水道局の方から来ました」と錯覚させる紛らわしい語り口を使う。
- 即決の強要:「本日中に契約すれば半額にする」「今すぐやらないと取り返しのつかないことになる」と心理的に追い込む。
- 見積書の不提示:事前の書面交付を行わず、作業がすべて終わってから法外な内訳を記入した請求書を差し出す。
こうした訪問営業やチラシを契機とした即日点検は、特定商取引法上の「訪問販売」に該当します。契約書面を受け取った日から8日以内であれば、たとえ作業が完了していたとしてもクーリング・オフ(無条件解約・原状回復)を法的に主張することが可能です。