美容医療やコスメ業界で頻繁に語られる「中顔面」ですが、解剖学や美容形成外科の臨床現場において、その定義は主に2つの基準で測定されます。一つは「眉間から鼻下(鼻柱基部)まで」、もう一つはメイクや審美領域で重視される「下まぶた(瞳の中心水平線)から上唇の上端まで」です。一般に顔の縦の長さを議論する際、後者のラインが視覚的な間延び感に直結します。
日本人成人を対象とした頭蓋顔面計測データによると、瞳の中心から上唇までの中顔面平均長さは約6.0cm〜6.5cmの範囲に集中しています。一方、眉間から鼻下までの計測では約6.5cm〜7.0cmが標準値です。これに対し、一般に「小顔」「童顔で引き締まって見える」とされるモデルやタレントの多くは、この距離が5.5cm〜5.8cm前後に収まっているケースが目立ちます。
美的な調和を測る指標として知られるのが顔の黄金比基準です。伝統的な美術解剖学では「生え際から眉頭(上顔面):眉頭から鼻下(中顔面):鼻下から顎先(下顔面)」の比率が「1:1:1」であることが均整の取れた美しさとされてきました。しかし、現代の審美トレンドでは、やや下顔面がコンパクトな「1:1:0.8」あるいは「1:0.9:0.8」のように、中顔面と下顔面がキュッと詰まったプロポーションが好まれる傾向にあります。