シューフィッティングの現場やフットケアサロンのカルテから浮かび上がる最も深刻な現実は、「日本人は自分の足を『幅広甲高』だと激しく誤認している」という点です。
大手靴メーカーの調査や「知恵袋」「X(旧Twitter)」などの投稿を精査すると、「靴擦れが起きるから、とりあえずゆったりした3Eや4E(幅広)を選んでいる」「親指が痛いのは足が太いからだ」という叫びが無数に見つかります。しかし、上級シューフィッターによる計測データを検証すると、真逆の事実が突きつけられます。
「痛みを訴えて来店される女性の約6割は、自己申告で『幅広甲高の24.0cm』と思い込んでいます。しかし実際に3D足型計測を行うと、足囲は細身の『D』や『C』、実寸は23.2cm程度というケースが日常茶飯事です。靴の幅が広すぎるために歩行時に足が前進(前滑り)し、細くなった靴先につま先が激突して親指や人差し指を強打しているのです」(都内フットケアサロン・義肢装具士の証言)
自称・幅広甲高の人がワイドな靴を選ぶことで、靴の中で足が泳ぎ、つま先が圧迫され、結果として「靴がキツい」と勘違いしてさらに大きい幅広靴を買う――この「過剰サイズ選択の悪循環」こそが、現代人の足痛を深刻化させている現場の生々しいリアルです。