ハンターハンター技名一覧と真相|独自ルビの元ネタと最強念能力の深層

ハンターハンター技名一覧と真相|独自ルビの元ネタと最強念能力の深層

ハンターハンター技名一覧と真相|独自ルビの元ネタと最強念能力の深層を徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を凝縮して配信します。

連載開始から四半世紀以上にわたり、ファンの間で実施される各種アンケートやWebメディアの投票企画で常に上位へ君臨する「かっこいい技名」。単なる語感の良さにとどまらず、神話、クラシック音楽、オカルト、洋画といった膨大なサブカルチャーの教養が下敷きになっています。歴代シリーズで特に支持を集める上位技の元ネタと背景を掘り下げます。

筆頭に挙げられるのが、キメラ=アント編でネフェルピトーが放った「黒子舞想(テレプシコーラ)」です。元ネタはギリシャ神話における合唱と舞踊の女神「テルプシコラー(Terpsichore)」。自らの肉体を限界を超えて操り人形のように酷使し、死してなお王を守るために跳動し続けたその凄惨な戦い様は、まさに「舞い狂う女神」の皮肉な具現化でした。漢字表記の「黒子(ほくろ/こくし/くろご)」に「舞想」を重ね、文脈として歌舞伎の黒幕(裏方)と狂気の舞踊を融合させたセンスは圧巻の一言に尽きます。

続いて絶大な人気を誇るのが、幻影旅団員ボノレノフの「戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)」およびその変奏技である「木星(ジュピター)」です。一族の伝統である肉体の孔から音色を奏でる戦士である彼にとって、技名は純然たる音楽用語です。「カンタービレ(歌うように)」という音楽の演奏記号に「戦闘演武曲」という勇壮な漢字を当て、さらにホルストの組曲『惑星』から「木星」を引用して巨大な音速球体を落とす演出は、クラシック音楽の重厚さをバトル漫画に落とし込んだ傑作ネーミングです。

さらに、フェイタンの「許されざる者(ペインパッカー)」と派生技「太陽に灼かれて(ライジングサン)」も外せません。相手から受けた痛みを灼熱の業火に変えて撃ち返すという反動型の能力に対し、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した映画『太陽に灼かれて(Burnt by the Sun)』の邦題を直球で引用しています。拷問を好むフェイタンの歪んだサディズムと、傷を負わされたことへの執念深い復讐心が、映画タイトルの持つ悲劇性と絶妙に合致しています。

そして人類最強の武道家、アイザック=ネテロの「百式観音(ひゃくしきかんのん)」と最終奥義「零乃掌(ゼロのて)」。ここは西洋的カタカナ技名の潮流から一転し、仏教説話における千手観音菩薩の慈悲と武の極限をそのままぶつける古典的アプローチが採られました。自著や巻末コメントで格闘技や宗教的図像への関心を語ってきた冨樫氏が、全幅の信頼を置いて描いた「祈りの拳」。過剰な装飾を削ぎ落とした漢字のみの表記が、かえって異様な畏怖を生み出しています。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。