犯行現場に残された微小な生体試料。かつての技術では特定に至らなかった微細な情報が、現代の先端科学によって解き明かされようとしている。警察庁の専門機関である「DNAプロファイリング室」をはじめとする最新の鑑定現場では、DNA解析技術の飛躍的な進化を背景に、犯人の人物像に迫る新たなアプローチが進行中だ。
現在では、単なるDNA型の一致確認にとどまらず、遺伝子情報から犯人の外見的特徴や系統、家系的なルーツを推定するDNAフェノタイピング技術の研究が進んでいる。犯人が残した血液という動かぬ証拠は、四半世紀の時を超えて、今や犯人の実像を鮮明に浮き彫りにする強力な武器へと変貌を遂げた。
「時間が経てば経つほど科学は進化する」。ある鑑識関係者はそう断言する。過去の遺物が最新の科学と出会ったとき、逃亡を続ける犯人の足元は着実に崩れ去っていく。