クイックスタートで本体データは移行できますが、高度なセキュリティが施されている決済系アプリや暗号化通信アプリは、個別の引き継ぎ操作を挟まなければ正常に動作しません。特に注意すべき3大インフラの設定を整理しました。
第一にLINEの引き継ぎ手順です。旧端末で「設定」>「トークのバックアップ」から最新のトーク履歴をiCloudへ保存します。さらに「アカウント」項目で登録中のメールアドレス、パスワード、電話番号が最新であるか確認してください。新端末側でLINEを起動し、「QRコードでログイン」を選択して旧端末の画面に表示されたQRコードを読み取れば、トーク履歴を含めた引き継ぎが瞬時に完了します。
第二に交通系IC(モバイルSuica・モバイルPASMO)の移行です。交通系ICは、不正利用防止のため「1枚のカードを同時に2台の端末に登録すること」ができません。必ず旧端末の「ウォレット」アプリから該当カードを選択し、「カードを削除(退避)」してください。「削除」という表記に驚くかもしれませんが、残高や定期券データはAppleのサーバー上に安全に保持されます。その後、新端末のウォレットアプリを開いて「以前ご利用のカードを追加」を選択すれば、残高そのままに復元されます。
第三にeSIMのクイック転送設定です。従来のように物理的なSIMカードを差し替える手間がなくなり、iOSの機能を利用して端末間でのeSIMプロファイル転送が可能になりました。「設定」>「モバイル通信」>「eSIMを追加」から「近くのiPhoneから転送」を選択するだけで完了します。ただし、通信キャリアによってはeSIM転送の受付時間が日中に限られていたり、キャリアの専用Webサイトでワンタイムパスコード認証が必要になる場合があるため、深夜帯の作業には注意が必要です。