猫ひろしの国籍はなぜカンボジア?帰化決断の真相とリオ五輪裏側

猫ひろしの国籍はなぜカンボジア?帰化決断の真相とリオ五輪裏側

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しかし、夢の舞台への道のりは決して平坦ではなかった。2012年のロンドンオリンピックに向けてカンボジア代表に内定し、歓喜に沸いたのも束の間、国際オリンピック委員会(IOC)から厳しい勧告が突きつけられる。過去に国際大会での出場実績がない帰化選手に対し、「国籍取得後1年以上の居住実績」または「継続的な活動期間」を求める新規定が浮上したのだ。

結果として、ロンドン五輪への出場権は直前で潰えた。日本国内からは「安易な国籍変更に対する罰だ」といった批判の声も上がり、一時は失意の底に突き落とされた。だが、彼の足は止まらなかった。絶望を飲み込み、黙々とトレーニングを継続。カンボジア現地でのレースに出場し続け、実績と居住実績の実態を積み重ねていった。

挫折から4年後、2016年のリオデジャネイロオリンピック男子マラソンにて、彼はついに念願の五輪出場の切符を掴み取る。本番のレースでは酷暑とタフなコースに苦しみながらも、139位でゴールイン。参加選手中、最下位に近い順位ではあったものの、最後まで笑顔を絶やさず両手を突き上げてフィニッシュする姿は、現地ブラジルの観客や世界中のメディアから温かい拍手で迎えられた。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。