広島市安佐南区の人口推移を紐解くと、1970年代以降の急激な宅地開発から現在に至るまで、人口が右肩上がりに増加してきた歴史が浮かび上がります。広島市全体の人口動態が横ばいから微減傾向を示す局面にあっても、安佐南区は市内8区の中で突出した約24万5,000人の人口を維持しており、区民の平均年齢も比較的若い水準を保っています。
この持続的な人口集積をもたらした最大の要因は、卓越した交通インフラの整備にあります。1994年の広島アジア競技大会の開催を契機に開通した「新交通システム・アストラムライン」は、本通駅から区内深部の広域公園前駅までを直結し、通勤・通学の利便性を劇的に向上させました。さらに、JR可部線との結節点である大町駅の存在が、JR広島駅方面へのスムーズなアクセスも可能にしています。
また、広島修道大学、広島市立大学、安田女子大学といった複数の高等教育機関が集積する文教地区としての側面も見逃せません。毎年春には数多くの学生が流入し、若年層の活気が街全体に循環する構造が確立されています。学生時代を過ごした若者が、就職や結婚を機にそのまま定住するケースも多く、持続的な世代交代が実現しています。