現在の開陽丸記念館は、1990年にオランダの古文書館に残されていた原設計図をもとに、当時の姿を可能な限り忠実に原寸大で再現して建築されたものです。かもめ島の美しい海岸線を背景に、青空にそびえる3本のマストと漆黒の船体は圧巻の迫力です。
船内に一歩足を踏み入れると、ヒノキやチーク材の香りと波音が漂い、まるで幕末の軍艦にタイムスリップしたかのような錯覚に包まれます。見どころは大きく分けて以下の3点に集約されます。
- リアルな大砲甲板と発射音体験:クルップ砲が整然と並ぶガンデッキでは、火薬を詰め込み照準を合わせる乗組員たちの緊張感が再現されています。迫力ある音響シミュレーションで当時の轟音を追体験できます。
- 本物の引き揚げ遺物が並ぶ「海底ミュージアム」:レプリカではなく、海底からサルベージされた本物の大砲、弾丸、生活用具がガラスケースにずらりと並びます。特に変形した真鍮製の器具や、生々しい傷跡が残る木製部材は、沈没の衝撃を無言で物語っています。
- 操舵シミュレーターと船長室の再現:榎本武揚が座ったであろう船長室の厳かな調度品や、船舵を実際に握って波浪の航海を体感できる体験コーナーがあり、大人から子どもまで直感的に楽しむことができます。
館内はバリアフリー対応が進んでおり、船内特有の急な階段だけでなくエレベーターも完備されているため、高齢者や車椅子の方でも安心して主要フロアを見学できる現代的な設計になっています。