日本国内で発生してきた重大事件を紐解くと、被害の規模と犯行の過酷さに言葉を失う。2008年6月に発生した秋葉原無差別殺傷事件は、日曜日の歩行者天国にトラックで突入し、立て続けに刃物で人々を襲うという暴挙であり、死者7名、負傷者10名という未曾有の惨事となった。犯人の加藤智大元死刑囚がインターネットの掲示板で吐露していた深い孤立感と社会への怨念は、当時の日本社会に大きな衝撃を与えた。
さらに過去に遡れば、2001年の附属池田小事件や、近年の小田急線・京王線車内での連続傷害事件など、犠牲者の落ち度とは無縁の場所で突発的に凶行がおよんでいる。これらの事件一覧を比較検証すると、刃物の所持だけでなく、ガソリンや可燃性液体を用いた複合型テロ行為へと手口が巧妙化している実態が浮かび上がる。被害者やその家族が抱える傷痕は癒えることがなく、社会構造の隙間に生じた「見えざる脅威」として重く残っている。