ネット際で繰り広げられる空中戦。相手スパイカーが渾身の力で叩き込んだ豪速球を、何事もなかったかのようにふわりとセッターの頭上へ返す。この超人的なディフェンス力こそ、高橋藍の代名詞だ。モンツァでの激闘を通じて、彼は単なるアタッカーから「コート上のすべてのゾーンを支配する戦術の要」へと変貌を遂げた。
特筆すべきは、リバウンド処理とセットアップの精度だ。崩れた体勢からでもミリ単位で味方へボールを届ける職人技は、男子バレーボールの現代戦術において最も希少価値が高い。スパイクの最高到達点は340センチを超え、ブロックの指先を狙う冷静なリバウンドや、相手リベロの逆を突くフェイントなど、引き出しの多さは対戦相手にとって悪夢そのものだ。