1990年代後半から2000年代初頭にかけて、バンド「GOING STEADY」のフロントマンとして君臨した峯田和伸のカリスマ性は、まさに圧倒的だった。当時のライブ会場は単なる演奏の場ではない。怒号と嗚咽、ダイブとモッシュが渦巻く混沌の坩堝であり、峯田はその中心で自らの身体を痛めつけるように叫んでいた。
絶頂期における突然の解散劇は、当時のファンに強烈な喪失感を残した。しかし、立ち止まることなく結成された銀杏BOYZで、彼の表現欲求はさらに過激さを増していく。ステージ上で全裸になり警察沙汰になった騒動や、骨折しながらも歌い続けたツアーなど、破天荒な秘蔵エピソードには事欠かない。それは単なる奇行ではなく、作為や虚飾をすべて剥ぎ取った先にしか存在しない「真実の感情」を観客に差し出そうとする、あまりにも不器用で純粋な闘争だった。
音楽の枠組みすら飛び越えようとしていた彼に、映画界が白羽の矢を立てたのは必然だったと言える。ミュージシャンとしての熱量をそのまま演技へと転化させた峯田は、表現者としての新たな地平を切り拓いていくことになった。