足かけ1年3か月に及ぶ激しい法廷闘争の末、2013年2月13日、札幌地裁において両者の間で電撃的な和解が成立しました。石屋製菓が訴えを取り下げ、吉本興業側が一定の譲歩を受け入れる形で結ばれた合意内容には、極めて実務的な3つの重要条件が含まれていました。
第1の条件は、「パッケージデザインの抜本的変更」です。中央の意匠を誰が見ても大阪城とわかるイラストに改め、本家を連想させる水色のグラデーションや白い飾り枠を廃止。金や赤、紺をあしらった独自デザインへと刷新することが義務付けられました。
第2の条件は、「販売地域の厳格な限定」です。面白い恋人の販売エリアは、関西6府県(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県)および吉本興業が指定する一部の劇場・特定地域のみに制限され、東京や北海道などの越境販売は完全に禁止されました。
第3の条件は、「旧パッケージの即時廃棄と製造猶予期間の設定」でした。流通在庫の混乱を防ぐため一定の移行期間が設けられた後、旧デザインの商品は完全に市場から姿を消しました。石屋製菓側が損害賠償金の請求を実質的に放棄し、ブランドの不可侵領域(北海道・全国展開の阻止)を死守したことで、大人の幕引きが図られた形です。