なぜ普天間基地の中に?佐喜眞美術館『沖縄戦の図』と屋上の秘密を徹底解説

なぜ普天間基地の中に?佐喜眞美術館『沖縄戦の図』と屋上の秘密を徹底解説

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佐喜眞美術館の中核をなす展示が、水墨画家・丸木位里と洋画家・丸木俊夫妻の筆による巨大壁画『沖縄戦の図』(縦4m×横8.5m)です。広島の原爆を描いた『原爆の図』で世界的に知られる丸木夫妻が、沖縄戦の実相を取材し、6年の歳月をかけて1984年に完成させた記念碑的傑作です。

展示室の薄暗い空間に足を踏み入れると、壁一面に広がる『沖縄戦の図』が圧倒的な密度で迫ってきます。暗闇のガマ(自然洞窟)の中で折り重なるように倒れる民間人、赤子を抱く母親の極限の表情、米軍の火炎放射器と日本軍の強制集団死(集団自決)の悲劇が、墨の濃淡と生々しい色彩で画面全体に描き出されています。この絵の前に立つ来館者は、誰もが言葉を失い、歴史の生々しい痛みに直面することになります。

佐喜眞美術館が所蔵・展示しているのは『沖縄戦の図』だけではありません。同館のコレクションテーマは「生と死」「苦悩と救済」「人間と戦争」という人間の根源的な問いに据えられています。ドイツの版画家ケーテ・コルヴィッツ、原爆の惨禍を描いた上野誠、フランスの巨匠ジョルジュ・ルオー、さらには草間彌生やベン・シャーンなど、過酷な現実の中で命の本質を見つめ続けた近代・現代作家の作品群が厳選して収蔵されています。

単なる反戦プロパガンダではなく、戦争という極限状態において人間がいかに尊厳を保ち、あるいは傷つき、救済を求めたのかを深く内省させるコレクション構成は、国内外の美術関係者からも極めて高い評価を受けています。

山田 真由
著者

山田 真由

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