内臓肉の世界で特に混同されやすいのが、焼肉や鍋の主役となる「シマチョウ」と「マルチョウ」の違いです。これらはどちらも腸の部位ですが、解剖学的な位置と加工方法が全く異なります。
シマチョウ(牛の大腸)は、表面にシマ模様のような筋があることからその名が付きました。厚みのある皮の歯ごたえと、適度に残された脂の旨味のバランスが抜群で、一般的に「テッチャン」とも呼ばれます。一方、マルチョウ(牛の小腸)は、細い小腸を切り開かずに裏返し、筒状のまま脂を内部に閉じ込めたものです。噛んだ瞬間に濃厚な脂が溢れ出すジューシーさが特徴で、「コプチャン」や「ヒモ」とも呼ばれます。
また、家庭用味付けホルモンのパイオニアである「こてっちゃん」は、牛の小腸(マルチョウ・ヒモの部位)を食べやすい厚みにカットし、特製タレで漬け込んだ加工食品です。「テッチャン(大腸)の小さいもの」という親しみやすいネーミングから名付けられましたが、使用部位は主に小腸となっています。
栄養面において、もつ・ホルモン類は高タンパクでありながら、部位によってカロリーと脂質が大きく変動します。例えば、牛小腸(マルチョウ)は100gあたり約287kcal・脂質約26gと高エネルギーですが、センマイは100gあたり約62kcal・脂質約1.3gと非常にヘルシーです。また、内臓肉全体にビタミンB12、鉄分、亜鉛、コラーゲンが豊富に含まれており、疲労回復や代謝サポートの観点からも極めて優れた食材と言えます。