渡航経験者40回以上のベテランバックパッカーやツアーコンダクターへの取材調査では、薬の「選び方」と同等以上に「持ち運び方」でトラブルに直面したという声が多数寄せられています。
ある大手旅行会社の添乗員は次のように現場のリアルを語ります。
「ピルケースに数種類の錠剤をまとめて移し替え、コンパクトにして持ち歩く方が非常に多いのですが、これは入国審査で最も怪しまれる行為です。何の薬か外見から判別できないカプセルや粉末は、麻薬密輸の疑いをかけられ別室送致になるリスクを跳ね上げます。」
安全を担保する常備薬パッキング方法の原則は以下の通りです。
- パッケージ(外箱)・添付文書は捨てずにそのまま持参する:製品名、成分名(一般名)、効能が英語または公的表記で確認できる状態を維持する。
- 処方薬は「処方薬英文証明書」または「英文薬剤証明書」を添付する:かかりつけ医や調剤薬局で英文による薬剤証明書(Drug Certificate)を発行してもらい、処方日数分の実物と一緒に携帯する。
- 機内持ち込み制限ルールを厳守する:液体胃腸薬や点眼薬、シロップ剤などは航空法の「100ml以下の容器に入れ、容量1L以下の透明ジッパー付きプラスチック袋に収納」するルールに従う。ただし、処方された医薬品であることを証明できれば例外規定が適用される場合もある。