なぜあれほどの熱気を見せていた専門店が閉店に至ったのでしょうか。関係筋への取材や業界動向を俯瞰すると、MOOOSH原宿の閉店理由には複合的な3つの要因が浮かび上がります。
第1に、都市型体験店舗からデジタルコマースへのシフトです。MOOOSHのスクイーズは、有名動画クリエイターによる紹介を機に爆発的な認知を獲得しました。当初は「触って体験する場」としての原宿店が絶大なPR効果を発揮していましたが、認知が全国・全世界へ浸透したことで、購買行動の中心がモッシュスクイーズ通販公式オンラインへと大きく移行しました。
第2に、インバウンド構造と原宿賃料市場の変動です。原宿・明治神宮前エリアの路面店は日本屈指の賃料水準を誇ります。観光客の行動様式が変化する中で、広大な体験スペース(スクイーズプールなど)を維持する固定費リスクを抑え、ポップアップ展開やセレクトショップへの卸売へと舵を切る判断が下されました。
第3に、偽物・模倣品対策とブランド価値の再定義です。ブーム期には国内外で低粗悪なコピー品が出回り、ブランドイメージの毀損が懸念されていました。最高峰の復元力と香りを誇るブルーム スクイーズのクオリティを担保するため、販路を厳格に管理する直営EC主導の体制へと統合されたのです。